何でこんな状況になってるんだ?と、ナカジは眼鏡を外した視界がぼやける状態で考えた。

 正直、眼鏡が無ければ目と鼻の先まで位しか物が見えないのに、自分の眼鏡は今数メートル先のベッドの上に座っている相手が持っていた。

 位置的には、咥えているようだが眉根を寄せたところで、見えないものは見えない。

「ホントに、見えねェのかよ?」マサムネは楽しげに笑いながら、からかうような声を響かせる。

 自分の部屋だから、どこに何があるかは大体分かるし、ぶつかるようなものも無いのでナカジは数歩ベッドに近づく。

「見えないから眼鏡をかけてるんだよ。」返してくれ、と手を差し出す。

「やなこった。」

 表情までは見えなくとも、子供が悪戯をする時そのものと言った声がナカジに届く。自分のベッドまで、後数歩だ。

 簡単に眼鏡を返してくれる気はないのが判り、最初の出会いからもうずっと相手のペースに乗せられているとナカジは溜息をついた。



「返して欲しけりゃ、ここに来て自分で取れよ。」白い手袋が手招きする。

 その拍子に、ふわりと揺れたマサムネの外套の下が見えた。黒い布地の間に、一際目立つ白い素肌が浮き上がる。

「…マサムネ、服は?」眼鏡がなくたって、その位は判る。

 上着のボタンは全開で、ズボンは脱ぎさっているというのにご丁寧にブーツは履いているようだった。

「俺様の服なんかどうでもいいじゃねェか。お前の眼鏡、いらねえのか?」じゃあ捨てちゃうかな、なんてわざとらしく笑う。

 相変わらず、彼がここに―現代に来た時から何を考えているか良くわからない。ナカジは目の前で、半裸で笑うマサムネをどう扱ったらいいか判らずに立ち尽くす。



 そうしていたら、マサムネが溜息をつくのが聞こえた。

「来いよ。」と再度手招きされる。

 ほら、と寝台についていた手を広げて促されれば、下着も付けてないのが分かった。どういう流れか、ただの気紛れか、出会って直ぐに身体を繋いで、そういう仲になった。

 けれどこの複雑な相手は、身体についている傷跡を見られるのが嫌だと言う。風呂に入っていた時に、義賊に傷はつきものだと大騒ぎされたのは記憶に新しい。



「眼鏡が無けりゃ、見えねェんだろ?」

 確かに、今の状態なら傷跡も殆ど見えない。それでこいつは俺から眼鏡を取ったんだろうか、と考えてナカジは誘われるままに近づく。

 マサムネが横に手を伸ばして、ベッドの裏に眼鏡を落としたのが音で分かった。

 壊れてないと良い、と思いながらナカジはマサムネの目の前に立つ。するり、と両腕を首に絡められて顔が近づく。付けたままだった兜がぶつかりそうになって、ナカジは苦労して片手でそれを外した。

 ようやっとの思いで後ろに落とした兜は、がごん、と重そうな音を立てる。自分の首に回されている両腕も、身体も驚くほど細いのに、どこにこんな重いものを身につけたり、武器を振り回すだけの力があるのか不思議な位だ。



「なぁ、ナカジ…。」互いの唇が触れそうな距離で、マサムネは熱っぽく名を呼ぶ。

 しようぜ、と吐息交じりに囁いて、唇を重ねる。

 ナカジも応えて細い体を抱き返しながら、さすがにこれだけ近ければ見えるのだけれど、それは言わないでおこうと思ったのだった。



小説は山本和沙様から誕生日プレゼントに頂いてしまいましたー!
うおおおおすごいーーー!ありがとうございました!幸せーっ!
設定まで特別にうちのサイトバージョンで!性格、呼び方まで違うのがポイント。
感動!そしてなんか嬉し恥ずかしー!
このあともちろん2人は裏ページ、みたいな。


基本的なCGの塗り方がわからなくなったのでエロい塗り方をしてみました…。
思った以上にエロくなりました。
あれ?このマサムネついてなくね?!みたいになりましたがついてます。
どうやって隠すか悩んだのですが結局手で隠すことに…
くわえてるのはナカジのメガネですよもちろん。
こんなつるっつるぷにぷになのにナカジを持ち上げられるくらい怪力の萌えっ子です。
ショタ度が増してきております。

模様直し、メガネ黒縁に変更。

 
 

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